ルームメイト
用意が出来たので、私は由佳里さんにお風呂を勧めた。
お風呂に向かう由佳里さんの背中を見ながら考える。

どうしたものか…。

唯からの連絡はない。

明日、話をするって言ってたよね?
唯は学校を休むつもりなのかな。
私は明日は一限目からあるし…。
二人の事に口出しする理由もないか。
私はいつも通りにしていればいいんだよね。

一人で悶々としていたら、いつの間にか由佳里さんがお風呂から上がってきていた。

「お先でした~。
あ、そうそう、蒼さん」

「はい?」

「唯と一緒に暮らしてるのは手違いだって言いましたよね?」

「はい」

「じゃあ、ここを私に譲ってもらえないかしら?」

「い、意味が分かんないんですけど…?」

「だ・か・ら、アナタの借りてる部屋に私が住むの。
そしたら私と唯が一緒に暮らせるでしょう?
蒼さんはどこか別のアパートを探せばいいのよ。
そこのお家賃分は私が払うから!
ま、引越費用までは出せないけど、どうせ家賃は私の親が払うんだし
それなら問題ないでしょ? 」

何、この自己チューな性格!?
ここは私の家なのに!!
それなら唯を連れて出て行けばいいじゃない。
…って言いたいのに…言い出せない。

「そんな…急に言われても…」

「そうよね~? 取り敢えず、どこか引越先を探してよ。
私もこの辺でバイトを探すし」

「学校は?」

「辞める。 元々行きたいって訳じゃなかったし。
唯と一緒に通えると思ったから受けただけだもの」

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