ルームメイト
お姉ちゃん達を知ってる人からは
私が妹である事を不思議がられ、美人の姉を羨ましがられた。

物心ついた時には比較されるのが当たり前で、何の取り柄もない自分に腹立たしさを覚えた。
それでも、いつかはこんな私を認めてくれる人が現れる事をずっと、ずっと待ち望んで。

でも、そんな人 一度も現れなかった。

私が想いを寄せる人はみんな
お姉ちゃん達に憧れて。
そんな事にはもう慣れっ子だ。

私には王子様など現れない。

そんな事ぐらい分かっているけど
せめて、あの家を出たかった。
私が私個人でいられる場所が欲しかった。
誰とも比べられずに
自由でいられる場所が欲しかったんだ。


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