‐あおい‐
【18.空白】
――――――長い間、目をつむっていた.
物音一つしない、静かな部屋.
映写室.
デスクの下からの景色.見えるのは弾丸で撃ち抜かれた映写機の姿.
散らばったフィルムは汚さを増していた.
中箕はゆっくりと目を開けた.
誰もいない・・・
「見逃してくれたのか・・・?」
そう言いながらデスクから身を出し、立ちあがる.
ふと部屋の角に目をやる.
隅の床においてあった、棒状のものから突き出る紐の糸.
「ダイナマイト・・・?」
あまりよく確認もせずに、中箕はズボンのポケットにしまう.
そして、恐る恐る部屋を出るのだった.