‐あおい‐
二人はそれから会話もなく、ただただ歩くだけだった.
一緒にいた仲間たちが無事なのか、不安で仕方がなかった.
深夜の森林、気温も低い.しかも未知の場所で歩く.
会話が無いのが当然であった.
瀬戸が夏希の手を強く握りながら歩くのは、恐怖からなのか、優しさからなのかは定かではない.
たんたんと歩く二人の目の前にはもう灯台が迫っていた.
もう少しだ――――
瀬戸がそう言おうとしたときであった.
樹木の下に倒れている人影を見つけた.
もしかしたら――――
そんな期待を込めて、二人はかけよる.