‐あおい‐
恐怖に溺れ逃げ出す中箕を冷ややかに見送る森田.
残された美希は、吐き気も収まり呼吸を整えていた.
「あーあ.残されちゃったね残念」
美希の肩をポンッとたたくと、笑顔を崩さないまま優しく言い放った
「痛くしないから、ね?」
釘バットを勢い良く振り上げ、力を込める.渾身の一撃で、一発で済むように
自分がどうなるのか悟った美希は、泣き叫ぶことなく、ただただ嘔吐物に染まったコンクリートをぼんやりと見つめるばかりだった.