‐あおい‐



瀬戸の体はどんどんと下に流され、色んな景色と色んな崩壊が目に写る



上下左右どこなのかもわからない




もう夏希の姿もなくなり、当然声も聞こえない.自分の声すら響かない状況に、瀬戸は落下中にも関わらず怒りを覚える



「夏希ぃぃぃーー!!」


風が瀬戸の全身をきり、悪寒をあたえる


もうどうしようもない現実をただ見守るしかなかった
救いようのない自分たちが哀れに思った


瀬戸は全身の力を抜き、ゆっくりと目を閉じる


そして、静かに呟いた
「もうこのまま死にてぇなぁ・・・」
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