‐あおい‐



このまま自分が歩けば、正体にたどり着く...


優華は響く一歩を踏みしめると、違う、と感じた.


近づいてはならない.


今すぐ離れなければならない.


鈍った五感をよそに、第六感がそう叫ぶ.


優華はよろよろと振り向くと、後ろを気にしながら歩き始めた.



それと同時に、反応する影.



後藤康司は潜む息を察知すると、抜け殻の体を再び引きずり始めた.


「フヒヒ・・・アヒャ・・・・・・アヒャヒャ」


今までとは違う、殺人的意欲を胸に.
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