‐あおい‐
【57.願い】
「美希・・・・・・・・・」
前が見えない.暗い意識のふち.
老いぼれた山崎のカサカサな皮膚を確かに感じ取る.
酷く冷たい.何も応えない.
鳴海真希には誰も返事はない.
果てしない絶望感.
誰ひとり自分を救わない.
見知らぬ土地にひとりぼっち.
ずっとずっとひとりぼっち.
「・・・・・・嫌だ・・・狂ってる!」
正気なのはこの光景なのか、自分なのか.
狂っているのは、自分なのかもしれない.
自分と繋がりのあるものが消え去り、残ったのは深い後悔のみ.
誰か、救いようのない私を――――