‐あおい‐



死にたいくらい辛いのなら、本当に生き残らなくちゃだめなはずなのに.

誰も、何もわかっていない.



たった一人残された瀬戸.

自分も死んでやろうか.


もはやいま、この島で立っているのは自分だけなのじゃないだろうか?




――――――――いや、


ふと瀬戸は、灯台で一度会った、相原の姿を思い浮かべる.


まだ、あいつがいた.あの人ならば、俺を救ってくれるだろうか.

微かに見えた、希望の光.
誰でもよかった.まともな人間がただ欲しかった.
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