‐あおい‐
崖から半身を乗り出しても、そこにはやっぱり瀬戸の姿はなく、波だけが残っていた.
ひとりぼっちになってしまった.
結局ひとりぼっちになってしまった.
誰一人も護れず、自衛隊という名を背負った服だけをきている.
人を護るために来た島で、だれ一人護ることなく、自分だけが生きている.
こんなはずじゃあなかった.
初めから最後まで、こんなはずじゃあなかった.
絶望に暮れる.俺は、間違っていたのか......?
教えてくれる人も、もういなかった.