‐あおい‐
ドンッ!
開ききった片扉が壁にヒットする.
その音が鳴り響く空虚な空間.
足の折れたピアノ、無残にバラバラになってしまったバスケットゴール.
この体育館だけ・・・・・・空気が余計重い.
夏希もさっきよりも震えてしまっている.
床には幾つかバスケットボールが転がっていた.
「・・・わりと綺麗だな」
触りもしないで感想を言ってみる.新品なのだろうか?体育館自体は風化してしまって汚かったがボールはとても綺麗だった.
夏希の手が、また瀬戸の手を強く握った
「・・・・・・・・・・・・」
不自然な動き、手をくわえなければ起こるはずのない現象
バスケットボールが、ゆっくりと瀬戸の元へと転がってくるのだった