‐あおい‐
「えっー・・・・・・と.今日も編入生がきています.仲良くしてあげてくれ」
ボールペンは書くわけでもなく、ただひさすらカチカチとさせて、那智田は言う.
「特に、宮地!お前、馴染ませてやんだぞ」
「まっっかせてくださいよ!」
ボールペンで指された宮地はそのひとことでクラス全体を馴染ませた.
「入ってこい」
質素な口調が小さく響いた.
毎日のように来る編入生に期待は薄く、よくあるこの時のドキドキ感など毛ほどにもなかった.
普通の人が普通に自己紹介を終え、普通に馴染んでゆく――――――
それが当たり前と、全員が思っていた.