‐あおい‐
逃げるようにして教室を去ろうとする那智田に『えぇ・・・置いてかないで』と思った生徒が何人いただろうか.
イスを乱暴に引き、どしっと座り込んだ中村に全員が目を逸らす.
その中で一人だけ中村を眺め続ける者がいた.
宮地達也だった.
「なに見てんだ」
当たり前のように目が合ってしまう.
「・・・すげぇ.不良初めてみたよ」
何なんだコイツは?何を考えているかわからない目.
その発言.
よくわからなかった.