導きのウサギ
…ところがある日、女の子に変化が表れました。

村人の家族を見て、ふと自分の家族を思い出したようです。

ここにいれば、学校へも行かず、自分を傷付ける者もいないのに…。

それでも女の子の心は、揺れています。

恋しくなったのでしょう。

わりと珍しいことではありません。

その内、女の子の表情が暗くなっていきました。

村人は心配しました。

けれど女の子の心の中には、元の生活や家族のことでいっぱいになってしまったのです。

そして…女の子は言ってはいけない、その一言を、口に出してしまったのです。

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