【件名:ゴール裏にいます】
試合開始までまだ時間がありそうだったので、僕は三人に馴れ初めを聞いてみた。
「去年かな・・」
一番年上っぽいミーさんが話してくれた。
途中、沙希ちゃんとトンコちゃんは相槌を打つ。
ミーさんの話しでは、以前は三人ともバラバラで応援していたのだが、同じ吉田選手の番号を付けている事から話しをするようになり、まず最初にミーさんと沙希ちゃんが一緒に応援するようになった。
トンコちゃんは並んでいる二人の11番をいつも見ていたが、顔見知りの激しい事もあってなかなか声を掛ける事が出来なかったと言う。
それに気付いた沙希ちゃんが恐る恐ると言った感じでトンコちゃんに話し掛けて意気投合し、この三人のグループが誕生していた。
三人共、てんでんばらばらの仕事をしていて、トリニータがなければ出会う事も無かっただろうと話した。
(それは僕と沙希ちゃんにも言える事だな・・)
そんな出会いがスタジアムにはたくさん落ちている事だろう。
『一緒に戦う』と言う気持ちが彼女や彼らを巡り会わせているのかも知れない。
僕は三人の話しを聞いて、そう思わずにはいられなかった。
ただ観戦に来ているだけじゃ、こんな風な出会いはないはずだから。
その時のゴール裏は、まだお世辞にも多いとは言えない。
トリニータシートに座っている人はいるにはいるが、真ん中に集まって立って声を出して『一緒に戦っている』人の数はあまり多くはなかった。
しかし、この三人のような出会いを繰り返して行けば、ゴール裏の戦う集団は選手達に大きな勇気をもたらしていくに違いない―――。
僕がそんな事を考えているうちに試合開始の時間が迫って来ていた。
と、僕らの目の前に体格の良い男の人が太鼓を肩からぶら下げて現れた。
「あの人は?」
沙希ちゃんに聞いた。
「ああ、あの人はサポーターズクラブ『ニータ21』の会長さんよ。いっつも太鼓で応援をリードしてくれるの」
「へえ〜、サポーターズクラブか・・」
僕は『サポーター』と言う言葉すら知らなかった。
『サポーター』とは支える人、支援する人と言う意味である。
じゃあ、『一緒に戦う』って何と言うのか?
それも『サポーター』で良いのではないだろうか。
「去年かな・・」
一番年上っぽいミーさんが話してくれた。
途中、沙希ちゃんとトンコちゃんは相槌を打つ。
ミーさんの話しでは、以前は三人ともバラバラで応援していたのだが、同じ吉田選手の番号を付けている事から話しをするようになり、まず最初にミーさんと沙希ちゃんが一緒に応援するようになった。
トンコちゃんは並んでいる二人の11番をいつも見ていたが、顔見知りの激しい事もあってなかなか声を掛ける事が出来なかったと言う。
それに気付いた沙希ちゃんが恐る恐ると言った感じでトンコちゃんに話し掛けて意気投合し、この三人のグループが誕生していた。
三人共、てんでんばらばらの仕事をしていて、トリニータがなければ出会う事も無かっただろうと話した。
(それは僕と沙希ちゃんにも言える事だな・・)
そんな出会いがスタジアムにはたくさん落ちている事だろう。
『一緒に戦う』と言う気持ちが彼女や彼らを巡り会わせているのかも知れない。
僕は三人の話しを聞いて、そう思わずにはいられなかった。
ただ観戦に来ているだけじゃ、こんな風な出会いはないはずだから。
その時のゴール裏は、まだお世辞にも多いとは言えない。
トリニータシートに座っている人はいるにはいるが、真ん中に集まって立って声を出して『一緒に戦っている』人の数はあまり多くはなかった。
しかし、この三人のような出会いを繰り返して行けば、ゴール裏の戦う集団は選手達に大きな勇気をもたらしていくに違いない―――。
僕がそんな事を考えているうちに試合開始の時間が迫って来ていた。
と、僕らの目の前に体格の良い男の人が太鼓を肩からぶら下げて現れた。
「あの人は?」
沙希ちゃんに聞いた。
「ああ、あの人はサポーターズクラブ『ニータ21』の会長さんよ。いっつも太鼓で応援をリードしてくれるの」
「へえ〜、サポーターズクラブか・・」
僕は『サポーター』と言う言葉すら知らなかった。
『サポーター』とは支える人、支援する人と言う意味である。
じゃあ、『一緒に戦う』って何と言うのか?
それも『サポーター』で良いのではないだろうか。