3人の想い
「おまえに言ったところで、あの時のみのりはおまえの言葉自体信じなかったろうよ。
すっかり疑心暗鬼になってたからな。
それを一肌脱いでやったのが誰だかわかってんのか?」


タカ先輩はこれ見よがしに胸を張った。


「タカ、みのりになんか言ってくれたの?」


しかし、リョウ先輩がそう聞くと、タカ先輩はまたソファにゆったりと体を沈めた。


「まあ、俺の言葉もあの時はあまり役に立たなかったみたいだけどな。
そのあと、おまえ、みのりに何かしただろ?
気づいたらまた勉強教えたりしてたし」


タカ先輩が探るようにリョウ先輩を見ると、相変わらず涼しい表情でリョウ先輩は答えた。


「まあね。
ちゃんとやることはやってるって。
だから、余計なお世話はいらない」


そして、リョウ先輩は美雪先輩に話を振った。


「美雪先輩、タカが余計なことしないように縛り付けておいて下さい」
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