3人の想い
「そりゃ、いいや。
そういやあ、初日に『手を出すな』って言ってたしなあ」


タカ先輩が、目尻の涙を拭きながら笑って言った。


私は確認のために聞いた。


「えっと、おばさんっていうのは、みのりちゃんの血のつながった伯母さんなんですよね?」


リョウ先輩は頷いた。


「そう。
しかも、寮の経営者でもあるんだ。
もし、下手にみのりに手を出したら、寮を出て行けってことにもなりかねない。
あそこ、大学に近いし、いろいろ便利だから出たくないんだよね。
だから、俺はのんびりやるって決めたの」


リョウ先輩はふてくされたように言い放った。


「いやあ、リョウの鉄の理性がどこまでもつか、楽しみだな、こりゃ」


タカ先輩はまだ笑い続けながら言った。
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