3人の想い
「私は『おまえ』じゃなくて『美雪』だって言ったでしょ。
あの時は、まだ傷がいえてなくて、そういうところから目が離れなかったのよ。
人は家庭環境だけに影響されるわけじゃないわ。
女で問題起こすなら、その原因を作ったのも女。
ちょっと考えればわかることだったわ」


すると、今まで黙っていたリョウ先輩が口を挟んだ。


「ふうん、元カノに裏切られたとか?」


あ、さっきタカ先輩にやり込められてた仕返し?


「…………」


タカ先輩は答えない。


「二股かけられたとか?」


リョウ先輩は畳み掛けた。


するとタカ先輩は、グラスに残っていたウイスキーをあおって投げやりに答えた。


「ああ、そうだよ!」
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