３人の想い

「全然、気づかなかった……」


カンジ先輩は私とは違った意味で、ショックを受けたようだ。


「だから、おまえは女を見る目がないっつーんだよ」


タカ先輩の痛烈なひとことに、カンジ先輩は打ちのめされてしまった。


「慎一～」


また、美雪先輩の叱責が飛ぶ。


美雪先輩は優しくカンジ先輩に聞いた。


「それで、カンジ君は、真奈美のどこが気に入ったの？」


あ、それ、私も知りたい。


カンジ先輩を見ると、頭をかきながら話してくれた。


「え？いやあ、そのお。
前から、いいなとは思ってたんですよ。
ほら、夏のバーベキューの時とか、美雪先輩と真奈美と優衣くらいだったでしょ、ちゃんと働いてた女子って。
あとは結構、最初から海に遊びに行っちゃったり、男に呼ばれてしゃべくってたり。
最後まで働いてたのは美雪先輩と真山先輩だけでしたけど」