3人の想い
美雪先輩は頷いた。


「ああ、そんなことあったわね。
真奈美や優衣は学部が同じこともあって、よく私の手伝いをしてくれたのよね」


私は慌てて顔の前で手を振った。


「いえ、私なんて全然。
美雪先輩みたいに手早くできなくて、面倒ばかりかけちゃって」


「そういうところは、カンジ君、ちゃんと見てたんじゃない」


「ええ、まあ。
でも俺、真奈美は健太の彼女だとばかり思ってたんですよ」


「ああ、仲いいものね」


「そうなんですよ。
だから、最初から真奈美のことは、無意識に恋愛対象にしないようにしてたところがあって」


「早とちりだったのね」


「ええ、で、その誤解を解いてくれたのが、みのりちゃんなんですよ」


「その、1度だけ会ったっていうときに?」


「ええ」


カンジ先輩は美雪先輩に頷き、続けた。
< 42 / 50 >

この作品をシェア

pagetop