3人の想い
「まあ、その前にも、新年会でスキー合宿の幹事を自ら立候補してくれたり、
ビンゴの景品を一人で買いに行こうとしたり、
すげーいい子だなっていうのはあって、内心、健太に嫉妬してたりもしたんですが」


え、そうだったんだ。


嬉しい。


「で、その景品の買い物帰りにみのりちゃんに冷やかされたのがきっかけで、真奈美と健太がなんでもないってわかって。
そしたら急に、真奈美のこと、意識し始めちゃって」


「へえ……」


微笑んで頷く美雪先輩を見ながら、ふと思い出したようにカンジ先輩は言った。


「あ、でも、春先から俺、真奈美の夢見てたんですよ」


「夢?」


「ええ、正確には、夢に出てきてたのが真奈美だってわかったのはついさっきなんですけど。
でも、そんな夢を見てたってことは、たぶん、俺、春頃から真奈美のこと好きだったんだと思います。
自覚してなかっただけで……」


私は嬉しくて、真っ赤になってしまった。
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