3人の想い
リョウの場合
バーに着くと、奥のテーブル席に座っていた美雪先輩とタカ先輩が手招きしてくれた。
タカ先輩の隣には、リョウ先輩もいた。
「おめでと、カンジ」
リョウ先輩はカンジ先輩にそう言うと、ニッコリ微笑んだ。
「真奈美、カンジのこと、よろしくね」
私にも、そう言葉をかけてくれた。
どうやら、タカ先輩から私とカンジ先輩のことを聞いたらしい。
私は照れ笑いして、会釈だけ返し、リョウ先輩の前に座った。
「あとは、おまえだけだな」
タカ先輩がリョウ先輩に言うと、「俺はのんびりやるからいいの」とリョウ先輩は受け流した。