Sky&Marine
転校生
「…里……美里…」
「…ぅんー…」
「美里ってば!」
「ん?綾…?今何限目?」
「はぁっ…たく、もうお昼よ」
どうやらまるまる午前中の授業を寝て過ごしていたらしい。
目の前の綾の不機嫌そうな顔をぼーっと見つめる。
「もう、夜ちゃんと寝てるの?」
「寝てるわけないじゃん。昨日も明け方まで仕事が…」
言いかけて咄嗟に口を噤む。
…危ない、怪盗のこと言いそうになった。
「な、なんでもない!あ、それより怜のところに行ってくるっ!」
「ええ!?一緒にご飯食べようよ」
「ごめんっ!約束してるから!」
そう言うと美里は走って行ってしまった。
「…美里ったら、さては転校生の存在を知らないな」
その後ろ姿を見送って綾は溜息を吐いた。