白昼夢

白昼夢⑥

また、未來は佐藤と楽しい旅行に行くのが、家族に申し訳ないと思っていた。

家族にも一緒に旅行に行ったり、美味しい物を食べさせたかったのである。

未來は佐藤と旅行に行くと、家族へのお土産を必ず買った。


それから、未來は幸せが少し怖かった。終わりが来たらどうしようと悩む日もあった。

佐藤には相談しなかった。

半年が過ぎた頃には、2人の呼び方も変わり『未來ちゃん』から『未來』へ、『あっきー』から『あっちゃん』となっていった。

2人は色んなところに行った。

京都の嵐山、岡山の倉敷、USJに海遊館、2人が気に入ってたのは、龍神温泉のとおせんぼというペンションで、とおせんぼにはくるみとミルクという白い犬がいた。

あるとき、高速を走っていた、未來達の前に道路脇に止まっている車を見付けた佐藤は、すぐに警察に携帯で電話した。

また、あるときは神戸の三田にあるフルーツフラワーパークに行って、お酒の好きな未來がワインの試飲をしようとしたところ、販売員がおしゃべりをして未來は試飲ができなかった。

佐藤はちょっとトイレに行ってくると言って未來から離れたが、戻ってくるなり、
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