マンザイ☆ガール
テレビをつければ最近はいつでも見るようになってきたいわゆる『アイドル』たち。

貼付けたみたいな笑顔を振り撒いて、
『願いは叶う』だ、『愛はひとつ』だ、自分の思いでもないくせに。

同じようなことを言う子もクラスにはいたけど、
彼女が好きだっていうインディーズバンドもあたしにとっちゃ『彼ら』と何も違わない。

『自分たちはあいつらとは違う』そのやり方自体が結局インディーズから成功してきた先人と一緒であり、
自己満を振りかざさないだけ、まだアイドル達の方がマシだった。

彼女たちが休み時間『彼はこうだ。あいつはああだ。』と、
動物みたいにキーキー言いながら、
話し込んでいるのを聞きながら、さっきみたいなことをぶちまけてやろうかななんて空想したことはあったけど、
あたしの目標はクラスの空気だから、もちろんそんな馬鹿なことをするわけがない。

心にもない『○○っていいよね』って作り笑いを浮かべながら、
普通の『女子高生』を演じていたのだ。
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