マンザイ☆ガール
『昨日のライブ中あんたずっと口開いてたよ』

お決まりな退屈な授業のあと、放課後お決まりの駅前のファストフード店で美加が切り出した。

天使のような笑顔。

美加は本当にかわいい。

この子のフランス人形みたいな目に見つめられたら女のあたしだって時々本当にドキっとしてしまう。

こんなに顔がよかったらどこか非の打ち所があっても良さそうだが、
一切自分の魅力を押し付けることもなく気取らないのだ。

女って生き物はかわいいものはかわいいもの同士でつるむものだが、
なんで美加があたしと仲良くしているのかはわからない。

彼女のあたしに対する憐れみ、普通過ぎるものへの興味、罰ゲームとまで訝しんだこともあったが、
美加はそんな姿を微塵も見せることなく、むしろあたしはますます彼女に魅了されていった。

そしてこうやって半年も、一緒にいると、あたしはたいていのことは美加に話すようになっていた。

唯一の親友。

こんなこと口にするのはあたしには似合わないし恥ずかしい。

もちろん美加にも『あたしたち親友だよね』なんて歯の浮くような台詞言ったことはないけどね。
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