あなたじゃなきゃダメ...
ペアリング
仕事が始まってからは
前みたいにたまにたろうと
会っていた。
ある日私は友達と買い物に
来ていた。
そこで指輪を買った。
ごつめでシルバーと白の指輪だった。
一目見て気に入ったので
すぐに購入した。
次の日、会社に付けていくと
たろうは指輪に気付いた。
「その指輪めっちゃいいやん!
どないしたん?」
羨ましそうに聞いてきた。
「ななも気に入ってんねん。
昨日買い物行った時に
買ってんで」
貸してみと言い私の指から
指輪を抜いて自分の左の薬指にはめた。
「ななは中指でゆるいぐらいやけど
俺の薬指にはぴったりやわ。
ありがとう」
嬉しそうに指輪を眺めていた。
返す気はなさそうだった。