あなたじゃなきゃダメ...

たろうの荷物をまとめながら

何度も涙が出そうになった。

たろうとの思い出は多すぎた。

どうしてこういう時に限って

幸せな思い出ばかりが

蘇るんだろう…

しばらくすると

家の鍵が開いた。

「たく~くろ~」

たろうはたくとくろの名前を

呼びながら家に入ってきた。

そして私を見つけるなり

抱きしめられた。

苦しかった。

私の心が…

たろうの事を想うこの心が

今抱きしめられている

たろうの腕の強さに似ていた。
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