あなたじゃなきゃダメ...

その週の土曜日まこの家族が

誕生日を祝ってくれるからと言って

まこは久しぶりに実家に帰っていた。

私は仕事だったので出勤した。

まこには遊びに行くかもしれないから

帰り遅くていいよと伝えていた。

ただ、まこと一緒に居たくない為の

口実だった。

仕事が終わりいつも通りたろうと帰る。

「今日はどっか行くんか?」

たろうに聞かれたので

「今日はまこが実家帰ってるから

どこも行かんよ」

そう答えた。

するとたろうに用事に付き合ってと

言われたので付き合う事にした。

私はたろうにもらったチョーカーを

首につけていた。

その紐が切れ掛かっていたのを

前にたろうに話していた。

その紐を取り替えにお店まで行く事になった。

取り替えてもらって

たろうにお礼を言った。

「まだなな持ってていいん?」

たろうに聞くと

「いらんねんやったら返して。

いるんやったら黙ってつけとけ」

そう言われたので自分の首につけた。

「本間お前嬉しそうやな」

たろうに言われた。

自分でも分かるくらいニコニコしていた。

そして久しぶりに心の底から

笑っている私が居た。
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