あなたじゃなきゃダメ...

言い合い


朝たろうに送ってもらって

たろうを見送って家に入ろうとした。

鍵が見つからなかったので

インターホンを押すと

まこが出てきた。

仕事があるので化粧を済ませ

着替えて玄関でまこに

「行ってきます」と一言言って

玄関のドアノブに手をかけたら

「送って行く」と言われた。

正直気まずいのもあって

いらないと断ったにもかかわらず

しつこかったので

途中まで送ってもらう事にした。

信号待ちしてる時

急にまこが口を開いた。

「結構怒ってんねんで。

帰って来たら話しよな」

そりゃ怒るのも無理ないと思ったけど

「なんぼでも話したるわ」

私が強気で言うと

「やっぱりいいわ」

まこはあっさり引き下がった。

まこはいつもそんな感じ。

うじうじしているまこに腹が立った私は

「こないだ話し合いした時も

話し合い終わってからうだうだゆうし

何で話し合いの時に思った事ゆわんの?

だから何回も話し合いしなあかんで」

その時の感情をぶつけた。

「もういいよ」

その一言を言ったきり

口を開かなくなったので

私は自転車からおり

まこに背を向けて歩き出した。
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