あなたじゃなきゃダメ...
どれぐらいそうしていただろう。
見上げるとたろうと目が合った。
たろうは私にキスをした。
驚いて何も喋らない私に
「ななごめん!
嫌やったでな?」
たろうが言った。
嫌じゃなかったよ。
本当は嬉しかったんだよ。
でもたろうには妻子がいる。
これって…
「たろうちゃん不倫やで!
ななにちゅうしたらあかんやん!」
強がって言った。
するとたろうは
いつになく真剣な顔をして
「俺ななの事好きやわ。
放っとかれへんし、心配やし
ななの事守りたいって思った」
私は言葉に詰まった。
そして言葉の代わりに
たろうにキスをした。