あなたじゃなきゃダメ...
つぐと距離をおいて1週間が経った。
今日はたろうと海に来ていた。
車を止めて砂浜まで歩こうとした時
私の携帯が鳴った。
もう鳴る事はないと思っていた
着信音に戸惑いを隠せなくて
出る事が出来ず、携帯を眺めていた。
「つぐくんからやろ?
はよ出な切れてまうで!」
たろうの言葉と同時に
携帯は鳴るのをやめた。
「ほらゆうたやん。
外おるからかけ直しな」
たろうが外に出ようとしたので
とっさにたろうの服の裾を掴んだ。
「嫌や!」
首を横に振った。
「今ここでつぐくんと
向き合わんでいつ向き合うねん!
いつまでも逃げてたらあかん!
電話せな海行かへんで!」
私の頭をなでると
たろうは外に出て行った。