あなたじゃなきゃダメ...

ななの家


たろうの家にお邪魔させてもらったから

今度は私の家に招待した。

と言っても私は実家に住んでいる。

私の家族は五人家族。

私は三姉妹の次女。

昔から要領が良いと言われていて

親は私をほったらかしにしていた。

今まで色々な事をして迷惑をかけたりもしたが

やる時はやるので親は何も言わない。

父はサラリーマン。

私が反抗期の頃は全く口を聞かなかった。

もともと父は朝早くて帰りは遅い。

私も家に居る事がほとんどなく

顔を合わせる時間がなかった。

私がまだ高校生だったある日

父が1人で夜ご飯を食べてる

後ろ姿を見た。

なぜか分からないが涙が零れそうになった。

日曜日も休みがほとんどなく

働きっぱなしの父の背中が寂しく見えた。

それから私は父の帰宅時間に合わせ

帰って来ては一緒に夜ご飯を食べた。

それから仲良くなったんだ。

無口と思ってた父は

意外とお喋りだった。

私がお喋りなのも多分父の遺伝だろう。

17年間一緒に暮らしていて

初めて知った父の一面だった。
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