あなたじゃなきゃダメ...
「カブ札の続きしよか」
誰かが提案したと同時に
たろうが部屋に入ってきた。
遊び方が分からない私は
たろうとペアになった。
「勝ったら何して遊ぶ?」
私にしか聞こえないくらい
小さな声でたろうは楽しそうに
呟いた。
その言葉を聞いて
やる気満々だった。
みんなでああだこうだ言いながら
わいわいしていた。
初めは勝っていた私たちは
途中から負けだした。
「気分転換しに行こ〜」
たろうが誘い出してくれた。
エレベーターの前の
各階の案内を見ていると
「屋上に展望台あんで〜。
どんなとこなんやろ?」
言うなりエレベーターに乗り込み
屋上の階を押した。