あなたじゃなきゃダメ...

「カブ札の続きしよか」

誰かが提案したと同時に

たろうが部屋に入ってきた。

遊び方が分からない私は

たろうとペアになった。

「勝ったら何して遊ぶ?」

私にしか聞こえないくらい

小さな声でたろうは楽しそうに

呟いた。

その言葉を聞いて

やる気満々だった。

みんなでああだこうだ言いながら

わいわいしていた。

初めは勝っていた私たちは

途中から負けだした。

「気分転換しに行こ〜」

たろうが誘い出してくれた。

エレベーターの前の

各階の案内を見ていると

「屋上に展望台あんで〜。

どんなとこなんやろ?」

言うなりエレベーターに乗り込み

屋上の階を押した。
< 94 / 359 >

この作品をシェア

pagetop