白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
「は~い!!はいはい!!提案があります!」
手を挙げたのはあゆみ。
真崎君は、うるさい!と言ってあゆみの頭をコツンと叩いた。
「今からデザート食べに行きたいでぇす!!」
あゆみなりの気遣い。
あゆみと真崎君はどこか似ている。
場の雰囲気を変える力がある。
元気のない美穂も、笑顔で頷いていた。
その笑顔を見て、私はまた胸が痛む。
先生と何を話したんだろう。
先生と何か話したから、美穂は笑顔になれたのかな、なんて。
「私も、ティラミス食べたい!!」
桃子も元気な声でそう言った。
私は、深呼吸をして、笑顔を作る。
「私も~!モンブランといちごのタルトが食べたい!!」
「直ぉ~!またお前はケーキ選べないんだろ?」
向かいに座る先生が……
私を見て、笑った。
目が合った。
そのことが嬉しくて、嬉しくて……
旦那さん相手にこんなこと感じてしまうのはおかしいんだけど……
もっと笑顔で言ってみる。
「モンブランといちごのタルト、両方食べる~!」
すると、美穂も……
「私もデザート食べたいな」
と言って、要君は持っていた雑誌を美穂に渡した。