白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
大事な仲間
「じゃあな!!しばしのお別れだ。直、元気でな」
先生は、私の頭を丁寧に何度も撫でてくれた。
「寂しい……」
「俺も寂しい……」
先生は、みんなが見ていないことを確認してから、おでこにチュって、キスしてくれた。
「俺の分までいっぱい食べてこいよ。本当の卒業旅行だと思って、懐かしい話でもしておいで」
「先生…… あのね…… さっき、美穂に……」
もじもじしている私を見て、先生は私の気持ちを誤解したようだ。
「いいんだって!お前の友達は俺にとっても大事だからさ」
「う、うん。ありがとう」
やっぱり、先生は美穂とタカの間を取り持ってくれたんだね。
嫉妬なんてしちゃってた自分が情けなく思える。
「直~!!名残惜しいと思うけど、そろそろ行くよ」
あゆみがかなり前の方から手を振って私を呼んだ。
「待ってぇ~!」
私は先生に手を振って、走り出す。
「おい、直~!要君には気をつけるように!!」
それを聞いた要君は、先生をからかうように、チャンス到来だなって笑った。