白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
「うぉっ!!これは食べなきゃな!」
店の前に並べられていたケーキのメニューを見て、真崎君は大はしゃぎ。
お酒も飲めるし、ケーキもあるということで、かなり人気のお店だと要君が持っていた雑誌には書かれていた。
「直っぺは、どれにすんの?」
斜め前に座った要君に声をかけられて、ちょっと驚いた。
「何だよ、直っぺ」
「え、要君と話すのが久しぶりな気がして」
先生と要君の会話を聞いて笑うことはあっても、要君が私に話しかける場面が少なかった。
「だって、先生やきもちやきだもん」
要君は、そう言って私に見えるようにメニューを広げた。
「おい、テル!お前が直に手を出したら、俺が先生にチクってやる」
真崎君はそう言って、要君からメニューを奪った。
先生がいなくても、やっぱり先生中心の会話になるのが不思議。
どうしてだろう。
やっぱり先生って人気者なんだね。