白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



みんなはケーキやパフェを注文した。


私はモンブランを注文したんだけど、心の中ではいちごのタルトもプリンも食べたくて、先生がいてくれたら半分こできるのになぁと思った。




「あの…… さっきはごめんなさい」



突然美穂が頭を下げた。


みんな、何となく避けていた美穂とタカのケンカの話題。




「もういいよ。仲直りできたんだろ?」



真崎君は、先に来たアイスコーヒーにミルクを入れながら、呆れ気味に言った。



「まぁ、ケンカするほど仲が良いってことだよ」



要君は、久しぶりに“思わせブリ男”を発揮して、優しく美穂の肩に手を乗せた。





「先生のおかげかな」


美穂のその言葉が、また私の心をかき乱す。


美穂の口から“先生”っていう言葉が出るたびに、苦しくなる。






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