白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~


「俺の第一印象ってどんなだった?」


要君の質問に、一瞬みんな黙り込む。



本人に言ったことはなかったけど……


多分、クラスの女子全員、“かっこいい!!”って思ったはずだよ。



先生に夢中な私でさえ、要君には目を奪われてしまったっけ。



かっこいいのに、ツンとしていなくて、誰にでも優しくて、温かい雰囲気で。


先生が、心配していたのもわかる。


要君はなかなかいない好青年だもんね。




「何黙ってんだよ!!」


要君は、頬をふくらませて、スネたようにケーキを食べた。


「まぁ、ねぇ…… 正直言えば、かっこいいと思ったよね」


「うん。まぁ…… 1人だけ浮いてたっていうか、目立ってた」


「うん。オシャレだし、背も高いし、きっとみんなが好きになるんだろうなって思った」


「私の場合は、今だから言えるけど、第一印象で好きになっていたのかも」




あゆみの爆弾発言に、真崎君がキレる。


あゆみの頭をゲンコツでぐりぐり。



「嘘です~!!ごめん、慎司!!」


「お前わかってんのか?」


「今は慎司だけだから許して~」


「罰として、今夜は寝かさないぞ」




ちょっと先生風なことを言う真崎君。


2人はあっという間に、ラブラブに戻っていた。


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