白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
「テル、よく休み取れたよね」
「帰ったら、その分働くよ。不規則で大変だけど、ようやく慣れてきたよ」
要君の仕事が1番厳しいことはみんなが知っていた。
「この前、直っぺの会社の人が俺んとこ来たよ」
要君が働いている特別養護老人ホームには、私が勤める会社の器具が置かれていた。
「結構、若くてかっこいい男の人多くない?先生に言ったら、また心配するだろ~な」
要君が笑いながらそう言った時、うつむいていた美穂がビクッとしたように見えた。
私、気にしすぎだね。
明日になればきっと平気。
1時間半が経過していた。
真崎君が、そろそろ出ようかと言い、私達は席を立った。
桃子は、そっと私の手を握ってくれた。
私と桃子がレジの前で待っていると、要君の声が聞こえた。
“美穂、よく我慢したな”って。
どういう意味だろう。
私と桃子がトイレに行っている間に、何かあったのかな。