白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~




「これでさよならだね~!寂しいよぉ」



あゆみが私と桃子の間に割り込んでくる。



「明日は、それぞれ楽しく過ごそうね!」


「そうだね~!また報告会しようね」


「うんうん!!美穂も何とかタカと仲直りできたみたいだし」



あゆみは、要君の隣にいる美穂をチラっと見た。




何があったのかはわからないけど、とにかくもう忘れよう。


せっかくの新婚旅行&卒業旅行だもん。


楽しい思い出だけを持って帰りたい。




店の前のベンチには、待ちくたびれた表情の3人が座っていた。




「お待たせ~!!」


「ケーキうまかったよ!」


「3人も食べたら良かったのに」



みんなが駆け寄ると、先生はニヤっと笑った。



「俺達、クレープ食べたもん。ふふふん」



先生は親指を右の方向へ向けた。



そこには、何人か並んでいるクレープ屋さんがあった。



「え~、いいなぁ」


「直は、モンブラン食べたんだろ?もしかして、いちごのタルト?」


「ううん。先生いなかったから、一個だけにしたよ」



気にしない。


美穂のことはもう気にしない。


いつも通りにしよう。



< 119 / 358 >

この作品をシェア

pagetop