白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
「これでさよならだね~!寂しいよぉ」
あゆみが私と桃子の間に割り込んでくる。
「明日は、それぞれ楽しく過ごそうね!」
「そうだね~!また報告会しようね」
「うんうん!!美穂も何とかタカと仲直りできたみたいだし」
あゆみは、要君の隣にいる美穂をチラっと見た。
何があったのかはわからないけど、とにかくもう忘れよう。
せっかくの新婚旅行&卒業旅行だもん。
楽しい思い出だけを持って帰りたい。
店の前のベンチには、待ちくたびれた表情の3人が座っていた。
「お待たせ~!!」
「ケーキうまかったよ!」
「3人も食べたら良かったのに」
みんなが駆け寄ると、先生はニヤっと笑った。
「俺達、クレープ食べたもん。ふふふん」
先生は親指を右の方向へ向けた。
そこには、何人か並んでいるクレープ屋さんがあった。
「え~、いいなぁ」
「直は、モンブラン食べたんだろ?もしかして、いちごのタルト?」
「ううん。先生いなかったから、一個だけにしたよ」
気にしない。
美穂のことはもう気にしない。
いつも通りにしよう。