白いジャージ５ ～先生とラベンダー畑～

美穂ちゃんとタカのケンカの原因に、俺が関係している。



美穂ちゃんが俺とタカを比べたなんて、直にとっては辛すぎることだと思う。




「俺……　なんかごめんな。俺のせいだよな」



「違います！！それは違いますよ。美穂の心の中にきっと何かあったんだと思う。そんな時だから、誰かと比べてしまったんだと思う。まぁね、俺だって新垣先生はかっこいいと思うし美穂がかっこいいって言っても嫉妬もできない。だからそれはいいんです。でも、俺に不信感を抱いてるっぽかったし、不満がたまってるのかなって」



黙って聞いていた翼先生が、口を開く。



「俺もタカと似たタイプだと思う。口下手だし、感情をうまく表せない。新垣先生みたいにうまく気持ちを表現できない。タカは、言わなくても伝わってるだろうって思っていることが、相手には伝わっていないこともあるんじゃないかな。今日、他の男性を見て、タカにはない何かが見えて、物足りなく感じてしまった、ってとこだと思うんだが。だから、別れるとかそこまでの問題じゃない」



翼先生の言う通りだと思う。



無い物ねだりと言うか、タカにはないものが他の男性にあるのは当然で……



だけど、タカにしかない良い部分もたくさんあって、それを見逃しちゃいけない。