白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
予定よりまだ早いが、俺は早く直の顔が見たくて店を出た。
「まだでしょうね~」
「そうだな。まだまだ盛り上がってんだろうな」
「クレープでも食べて待ちますか」
「そうだな」
「俺は美穂と仲直りできるようにクレープおみやげに買っておきます」
いちごとチョコのクレープを頬張りながら、直を想う。
俺も直にクレープを買いたかったけど、俺は今は買わない方がいい。
タカだけが買っている方が、美穂ちゃんは嬉しいだろうし。
直に食べさせたい。
直の笑顔が見たい。
直の声が聞きたい。
直、無理してないか?
一度心配するとどんどん心配になってくる。
さっき別れ際に、直が何か俺に言いかけたことが何だったんだろう、とか。
もしかして、本当は俺と離れたくなかったんじゃないかとか。
直は、俺とケーキを半分こ……したかったんじゃないかな。