白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
「直、俺は直のことなら何でもわかるんだからなぁ」
先生は、私の顔を温かい手で挟んで、先生の鼻を私の鼻にくっつけた。
「先生、心配かけてごめんね」
先生は、どこまで知っているんだろう。
タカから何かを聞いたのかな。
「こらぁ!!俺が直を心配するのは当たり前のことなんだから。謝らなくていいって」
「あのね…… 美穂とタカのケンカの原因、聞いた?」
先生は、私の腰に手を回して、私の足の間に足を入れた。
絡み合うというか、一体化…… って感じ。
「聞いた。タカから聞いただけだから、直が聞いたのとは違うかも知れないけど。俺と比べたって?」
「うん。今日、牧場ではあんなに仲良さそうだったのに。先生と比べたっていうか、私と先生を見て、自分達と比べたのかな」
私は、ちょっと本音じゃないことを言ってしまった。
私が何より嫌だったのは、美穂が先生に恋心を抱いていることだった。