白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
ゆかりは、正直に話してくれた。
実は焦っていた。
実は寂しかったと。
依子と私が続いて結婚してしまったことで、ひとり取り残された気持ちになったこともあるんだと。
いつも笑顔で私を支えてくれたゆかり。
もっと早く気付いてあげていれば……
先生は夜景を見に連れて行ってくれた。
あの懐かしい場所。
高校2年の夏休み。
内緒で連れて行ってくれた夜景デートの場所。
「懐かしいな」
先生は、あの時と同じように腕組みをして夜景を眺めた。
「ちょっと泣きそうだよ、先生」
私もあの時と同じように、少し離れた場所に立つ。
夜景を見つめる先生を見つめる。