白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
「そっか。うん。わかった」
「まだ言ってないことあるだろぉ~」
先生が私の腰をくすぐった。
「じゃあ、言っちゃう。嫌いにならないでね、先生」
「ばか~!もっと好きになるって」
私は、先生が美穂を追いかけてトイレに行った時、本当に嫌だったってことを伝えた。
なかなか帰ってこなくて、同窓会での荒木さんのことを思い出したって言うと、先生は頬をスリスリして謝ってくれた。
「タカにな、頼まれたんだけどさ。俺も後悔したよ。あれは、タカ本人が行くべきだった」
「美穂、嬉しそうな顔して先生のこと見てたから嫌だった。だって、私だけの先生なんだもん。嫌だよぉ。先生かっこいいから。頼りになるし…… かっこいいし、優しいし、完璧だし、いい匂いだし、エッチうまいし…… 何もかも世界一なんだもん」
アルコールが残っているからかな。
こんな変な発言をしちゃった私に、先生が言う。
「直のこと、もっともっと好きになった。俺のことをわかってくれるのは、直だけだから」
「ふふふ。またそんなこと言って」
「本当だって。お前だけだよ……」
先生の声が色っぽくて、体の力が抜ける。
「先生、好き過ぎるよ」
「俺もだぁ~」
頬をすり寄せてくる先生。
ふたりきり。
くっついてひとつになっちゃいそう。
いつか願ったね。
決してひとつになることはできないけど、限りなくひとつになりたいと。
飛行機から見えたあの空と海のように……