白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



「直!?どした?」



私は洗面台の下に倒れるようにして泣きじゃくっていた。




「直……」



先生が、私を起こして、抱きしめてくれた。



「うわぁぁん…… ひっく、ひっく……」



子供みたいに、先生の胸で大声で泣いた。



さっきまで眠っていた先生は、体が温かくて、冷えた私の体は温められていく。




また思い出しちゃったよ。


先生……





先生と別れていた高校2年のクリスマス。



先生に電話しちゃった私を、先生が見つけてくれた。



電話BOXの中でうずくまっていた私を、先生が抱きしめてくれた。




温かかったなぁ。



先生、先生は本当に温かい。




先生、先生……





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