白いジャージ５ ～先生とラベンダー畑～

「正直に話してくれてありがとう」



『自分が言ってしまったことは、消せないけど……　私、タカが好きだから』




今の美穂は、本音を語ってくれているってわかる。


さっきの美穂とは違う。




『実を言えばね、先生のことはずっとファンだったし、かっこいいなって思うけど、それは芸能人がかっこいいとかそういうレベルで……　好きなのかなって思った自分が恥ずかしい』



美穂は、タカにもケーキ屋の出来事を話したんだって。



タカも私と同じ気持ちだった。


仲直りしていてもスッキリしなくて、美穂の本当の気持ちを知りたかった。



タカは、男らしく美穂にぶつかった。


“言いたいこと全部言ってくれ”って。




『タカにも、直にも絶対に言わないつもりだった。先生のこと好きだって思ったこと。でも、言わなきゃふたりとも失いそうで』



「言ってくれて良かった。何となく気付いてたから、あのままだと美穂と会うのが怖かったと思う」





美穂は全部話してくれた。




その内容はショックだったけど、なんだかスッキリした。



勝手に想像して、モヤモヤするよりも、ハッキリと聞かされた方がいい。