白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
私は、さっき美穂との電話を切った後、涙が止まらなかったことを話した。
美穂も同じだったと知って、また涙が出た。
今度は、ほっとした涙。
『ありえないよね、私。生まれてから今までで、1番自分が嫌い』
美穂はそう言った。
『許せないと思うけど、これからも友達でいてほしい。酔ってたとか、みんながうらやましかったとか、そんなの言い訳にならないけど…… 先生みたいな男性ってなかなかいないから、見ているうちにおかしくなっちゃった。でも、はっきり言える。それは、全然、恋とかじゃないの。信じて…… 直。私、直が大事だもん』
「今の言葉は、信じられる。さっきの美穂は、全然信じられなかったけどね。今は本音を話してくれてるってわかるよ。私も本音を言えば、美穂が先生を見て嬉しそうな顔してるのがすごく辛くて…… 美穂のこと、ライバルだって思ってしまった」
美穂は、何度も何度も謝った。
それから、タカが電話に出て、こんなヤツだけどこれからも友達でいてやって欲しいと言った。
美穂、時間がかかるかも知れないけど、いつか笑い話になるよね。
この出来事が。
時間がかかるのは仕方がない。
すぐには元に戻れない。
でも、いつか……
前よりももっともっといい関係になれる日が来るよね。