白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
冷たい水で顔を洗って、ベッドへと戻った。
眠っているのかと思うほど、静かな先生。
タオルケットの中をのぞくと、パッチリと目を開けた先生がいた。
「先生!!」
「直、ちゃんと話せたか?」
「起きててくれたの?」
「眠れるわけねぇだろ!」
私は、先生に抱きついた。
さっきの電話の内容を全部話すことにした。
昨日の私なら、美穂の“先生が好き”って気持ちは先生に言えなかったかも知れない。
でも、今の私なら言える。
隠し事をしていると、自分も相手も辛いってことわかるから。
「美穂ちゃんも、ちょっと勘違いしたんだな。まぁ、俺かっこいいから」
冗談っぽく先生はそう言った後に、おでことおでこをくっつけて真剣に謝ってくれた。
「ごめんな。俺が変に優しくするから、美穂ちゃんを混乱させた。学校では、壁を作るのうまいんだけどな。直の友達は油断してた」
先生は、私のまぶたにキスをした。
涙の味がするって言って笑った。